さつまいも

たまには主婦らしい話をしようと思う。
テーマはさつまいも。

さつまいもという食材は私にとってはとても厄介な物である。
おいしい。
それについては異論はないのだが、甘いのが非常に困る。
我が家では夫も私も間食するということがあまりない。
二人とも焼き芋は大好きなのだが、食べるチャンスがない。
更に、二人とも甘いおかずがあまり好きではない。
どちらかというと辛い系の方を好む。
そうなると、さつまいもという食材の出番がなくなってしまうのだ。
私が自らさつまいもを買うことは、まずない。
自分が使い道に困ることは買う前からわかりすぎるほどよくわかっているからだ。
しかし。
戴き物となると話は別だ。
戴いてしまった物はありがたく食べなければならない。
とはいうものの、おやつは食べない、甘めのおかずは好きではない、となると困難を極める。
そうして台所の片隅にしばらく放置されることとなる。
毎日毎日朝晩台所の片隅に目がいく。
後ろめたい思いをしながらも、気が進まないので使わない。
そのうちに芽が出てきて、さすがにやばいと思って何とかして使うことになる。
私は食材を無駄にすることが嫌いなので腐らせるのは嫌なのだ。
そうして最終的に芽の部分だけを切り落としてお菓子に変身させて一部知人に配って消費協力してもらうか、
もしくは甘めのおかずを作って夫と二人『甘いね…』と呟きながら食べるか、ということになる。
その中でも最もましだと思えるおかずは、さつまいもコロッケだ。
さつまいもコロッケならまだおいしいと思って食べることが可能だ。
しかし、その工程が面倒くさい。
それ故に戴き物のさつまいもがコロッケと化して食卓に並ぶことはあまりない。
あんなにおいしいさつまいもなのに。
さつまいもプリンもさつまいもケーキもさつまいもタルトもさつまいもパイも大大大大好きなのに。
生のさつまいもが手に入ると使い道に困るというのは愚の骨頂だ。

これほど扱いあぐねる食材も私にしては珍しいというくらい使い道に困るさつまいもなのだが、
結婚してからさつまいもが送られてくるようになった。
困る。
非常に嬉しいのだが、とても困る。
はっきりいって気が重い。
嬉しいだけに困る。
先日もさつまいもが送られてきた。
いつものように台所の隅に置いてある。
これではいけないのだ。
何とかしておいしく食べなければ。
さつまいもから甘みを抜く方法はないものだろうか。
あるわけがない。
毎日朝晩さつまいもの存在を感じて危機感を覚えている。
明日こそさつまいもコロッケにしてくれようぞ、と毎日思う。

頭を抱えて心を悩ませていろいろ考える。
さつまいもが嫌いなわけではなく、むしろ好きなのに食べられないというのはどういうことか。
ふと思う。
自分が専業主婦だったら?
きっと1日2日できれいさっぱり私の胃の中におさまっていることだろう。
兼業主婦だからこれほどまでに困っているのだ。
では、自分は専業主婦になりたいと思っているのか?
いや、それは嫌だろうと思う。
世の中とは本当にうまくいかないようにできている。
しかし、どれほど悩んでもさつまいもが消費されるわけではないので、ここは一つ兼業主婦の底意地を見せるべく
明日こそは絶対にさつまいもコロッケを作る所存である。






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