過剰反応によるウィルス増殖

 豚インフルエンザが人間の新型インフルエンザとして日本国内で猛威を奮い始めて数週間経つ。
毎日毎日ニュースを賑わせている。
こんなことを言うと、人々からは非難の目で見られるのだろうが、相次ぐ中学校高校の休校のニュースや
異常とも思えるマスク着用率のニュースを見て、私は苦々しい思いをしていた。
日本人の悪い癖である過剰反応である、騒ぎすぎである、と。

 特に大騒ぎをしていた週末を挟んで会社に出勤すると、驚くべきことに電車の中ではほとんどの人がマスクをつけていた。
おまけに車内放送まで流れている。
『電車の中や駅等、人のたくさん集まる場所ではマスクをつけてくださいますよう、
またうがいや手洗いを行って戴きますよう、お願い致します』
唖然とした。
そこまでやるのか。
しかも、電車の中はいつも以上に空気が悪い。
あっちこっちでぐずぐず、くしゅん、ごほごほ、とやっている。
会社でも、週末のうちに急に体調不良の人が増えていた。
体調不良で休んでいる人、午後から帰る人、マスクをつけて一日頑張る人。

 週明け、体調を崩した人というのは暗示にかかったとしか思えない。
マスコミがマスクが売り切れたと、さも大事であるかのように騒いだり、
浮遊しているかもしれないウィルスに注意するよう異常なまでに呼びかけたりすることによって
人は何となく自分の周囲の空気がウィルスに冒されているような気がしてくるのである。
そうこうするうちに何となく自分も体調が悪いような気がしてくる。
そして、やがて実際にに体調を崩すのだ。
何と暗示にかかり易いことか。
病は気から、とはよく言ったもので、今体調を崩している人の7割が暗示にかかった結果の不調ではないかと思われる。
精神的にも肉体的にも甚だしく弱すぎると言わざるを得ない。
無論各人に問えば、そんなことはないと尤もらしい理屈をつけるのであろうし、
本当に理由があって体調を崩している人もいるのであろうが。

 学校を休校にするというニュースを聞いたときは驚いた。
政府や自治体は日本中に菌を繁殖させたいのかと思った。
だって、そうではないか。
中学生・高校生が『自宅待機しなさい』と言われて大人しく自宅にこもっているものか。
ほとんどの子供がこれ幸いとばかりに友達と一緒に遊び回るに違いない。
しかも、学校があると思うと少しばかり体調が悪いだけで勉強嫌さも手伝って学校を休んで
家で大人しく寝ているであろう子供も、学校がなければ仮に相当体調が悪くとも遊びたさのあまり
体調不良を押してでもチャンスを逃すまいとして飛び回ることだろう。
特に、共働きの多い現代社会において誰が子供の不調を見破ってその行動を阻止するだろう。
ウィルスをばら撒きたくなくば、子供は管理責任者や保護者の監視の下で通常の生活をさせるべきだ。
一体全体政府や自治体は何を考えているのかと呆れ返っていたところ、
カラオケに中高生が長蛇の列を作っているというニュースが入ってきた。
当たり前だ。

 今回豚インフルエンザから始まった新型インフルエンザは、感染力は強いようだが弱毒性であるそうだ。
季節性のインフルエンザの方が強力なのではないかという話も聞くのだが、
季節性のインフルエンザであれば、誰もこれほどまでには騒がない。
この新型インフルエンザは皆が異常なまでに大袈裟に反応し、過剰に騒いで無駄な対応をしたがために
逆に余計国内での感染を広めているような気がしてならない。
マスコミは何かにつけてすぐに大々的に取り上げて必要以上に問題を大きくするものなので無視するとして、
これは政府だけの問題ではなく、一人一人がもう少し冷静に自らの意思で考えて行動すべきではないだろうか。






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