携帯の悲劇の顛末

 携帯の修理が終わったという連絡を受けて2日経った。
お店からは何も連絡がない。
17時前にお店に電話をした。
女の人が出たので、私の携帯はまだ返ってこないのかと尋ねた。
女の人は忙しそうに『まだ連絡はありませんか?』と聞いたのでまだだと答えた。
『修理から返ってきたらすぐにご連絡致します。
本日の便で到着した分のご連絡はもう終わっておりますのでご連絡があるまでお待ちください』とのこと。
『修理が終わったということはもう前に聞いているのですけど』と言うと驚いていたので
いつ修理が終わっていつ発送するのか、私の携帯が今どこにあるのか確認してほしいと言うと渋るので
もしやと思い、メーカーはまだお盆休み中なのかと尋ねた。
お盆休みは終わっているということだったので、確認を依頼した。
確認して折り返し連絡をくれるということだったので、とりあえず電話を切った。

 私は待った。
ひたすら忍耐強く待った。
2時間以上経っても連絡がない。
やむを得ず、またお店に電話した。
男の人が出た。
先ほど話をした女の人と話がしたいと言うと接客中だと言うので、その人に事情を話した。
男の人はお待ちくださいと言って、待たされた。
電話口に戻ってきたその人は『申し訳ありません、お問い合わせと入れ違いで本日の便で戻ってきました』と言うので
今日の何時の便で戻ってきたのか、何時に届いたのかを尋ねた。
『本日の12時頃の便です』と言う。
私が問い合わせたのは17時前だった。
今日の便で戻ってきた分の連絡は既に終わっていると聞いたのだが、何故私には連絡がなかったのかと問うと
『申し訳ありません、お店が混み合っておりまして漏れていたようでして』と言う。
既に2週間以上待たされて、更に連絡漏れとは。
私は腹が立った。

 今、お店に私の携帯が戻っているというので、それなら取りに行くと言いかけたとき
その男の人は突然長々と説明を始めた。
内部修理は完了していること、携帯も戻ってきていること、
但し、外装の修理だか交換だかは保留中とのこと。
驚いた。
どういうことかというと、私がアフターサービスに加入していなかったために外装部分に関しては高額の見積が来ており
それ故に一旦保留した状態で何も為されないまま戻ってきているということだった。
Vodafoneのアフターサービスというのは、何らかの事情により購入後修理の必要性が発生した場合に
修理や新機種への交換の料金が少し安くなるという制度である。
私は携帯を修理に出したとほぼ同時にアフターサービスを解約していた。
というのは、何らかの事情というのがどういう事情だったか不明確だったので157に電話をして確認したところ、
非常に不愉快な物言いをする男の人から、アフターサービスが適用されるのは
携帯が全壊した場合及び水濡れのために壊れた場合に修理や新機種への交換が安くなるというサービスだと説明を受けた。
それ以外は1年以内であって使用者に過失がない場合は、保証があるのでメーカーで無償修理や交換を行ってくれるとのこと。
私は現在の状態を話して、それはメーカーで無償で対応してくれるのかと聞くと、そうだと言われた。
だから、私は解約した。
私の扱い方で携帯が全壊することはないし、水に濡れるようなこともしないように極力気をつけている。
それならば、何も毎月315円も払ってアフターサービスに加入している必要はないからだ。
しかし、お店の人の話では、外装に関しては例え購入した次の日であろうと修理費用がかかるという。
アフターサービスに加入していれば、その料金が軽減されるということだ。
157の言っていることと話があまりにも違う。

 とにかく、私は驚きの余り口がきけなくなり、しばらく黙ってしまった。
一言だけ、そんな話は何も聞いていない、とだけ言えたがそれ以上はだめだった。
私が黙っている間に、その人がどんどん説明を進めていった。
今回は私が何も聞いていなかったというのであれば、事情を考慮してメーカーから新しい外側を取り寄せることはできる、と。
口がきけるようになったので、それを取り寄せるのに私はどれくら待てばいいのかと尋ねると、
取り寄せになるので約1週間はかかると言う。
私が再度絶句した。
2週間以上待たされた挙句に更に1週間待てと言うのか。
我慢できなくなり、責任者と話がしたいと言うと、自分が店長で責任者だと言う。
そうか。私は責任者と話をしていたのか。
それならば、と思い、NECは本当にもう嫌なので他のメーカーの機種と交換してほしいと話をした。
店長さんは、少し考えてからVodafoneの営業だか何だかの担当者と一度交渉してみると言ってくれた。
ただ、Vodafone本体の担当者から必ずしも肯定的な返事がもらえるとは限らないとも言われた。
一度交渉してみて、早ければ明日(土曜日)、遅くとも週明けには連絡するとのことだった。

 何も連絡がないまま週が明けた。
火曜日になってようやく連絡がきた。
Vodafoneに交渉したところ、別メーカーの機種と交換することは認められなかったとのこと。
ただ、お店の在庫として置いてある804Nのまったく新しいものと交換することは認められたと言う。
いろいろと調べていたら別メーカーの機種と交換してもらった事例が結構たくさんあるようだが、と言うと
それは個別対応になるのでお店は関知していないと言う。
個別対応というのは何かと尋ねると、消費者から157に電話をして直接交渉することだと言われた。
私が以前それをやったが相手にしてもらえなかったと言うと、詳しくはわからないが、
おそらく別メーカーの機種と交換してもらった人は157の故障修理担当の責任者と交渉したと思われると言われた。
そうなのか。
やはり責任者と話をしなければならなかったのか。
それなら今からそうすると言おうかと思ったが、私にはもうそのような気力は残っていない。
そもそも、157の故障修理のチャンネルの不愉快な人間と話をすると思うだけでぞっとする。
『もういいです、今日取りに行きますので新しい804Nと替えてください』と呟くのが精一杯だった。
何だかとても悲しい。

 お店に行って新品の携帯と替えてもらった。
店長さんが対応してくれたが、説明を聞く気にもならなかった。
とりあえず、157に電話をしてアフターサービスについて誤った知識を吹き込まれたことを話したところ
お店からVodafone本体にクレームをあげてくれるとのこと。
ついでに『157にクレームをあげるのであれば、故障修理担当の人にものの言い方に気をつけろと言っておいてください』
と言っておいた。
157の故障修理のチャンネルの人は皆とても態度が悪い。
こちらだって好きで不具合の説明をしているわけではないのだからもう少しまともに話をしてくれてもいいと思う、と。
結局修理に出してから約3週間待たされた。
NECが憎い。
Vodafoneも憎い。

 別メーカーの機種と交換してもらうとか、もっと早く修理から返ってこさせるとかするには
やはり怒鳴り込まなければならないのかと店長さんに尋ねると、そんなことはないと笑っていたが、嘘だと思う。
私のように冷静に理性的に物事に筋道を立てて話を進めようとするから3週間も無駄に費やしたのだ。
最初から責任者を出せお前のところは一体どうなっているのだ社長を出せ訴えるぞ、とお行儀悪く怒鳴り込んでいたら
おそらく2,3日で片付いたのではないだろうか。
私が日頃から心がけている、冷静に理性的に、単なる窓口の人には怒ったら悪い、という態度は
単に話を長引かせた挙句になめられて適当にあしらわれて最後には敗北に追い込まれる結果にしか繋がらないのだ。
人間らしく話し合いをしようと思った私が馬鹿だったのだ。
私はまた一つ賢くなった。
理性などくそくらえだ。
冷静さなどは宇宙の彼方に飛ばしてやる。
窓口だろうが何だろうが、会社の人間には変わりない。
思いやりなどもつ必要はない。
今後は何事においても最初から怒り狂ってその辺の馬鹿のように暴れるという方向で自分を鍛えていこうと思う。
しかし、既に人格が形成されてしまっている私にそれができるだろうか。
新たに鍛錬すべき課題ができたということか。
少し気が重い。






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