1週間

 ころが死んで1週間が経った。
彼女が死んでから2日2晩たっぷり泣き通した。
出せる涙は全て出しきったと思った。
泣き過ぎて目が開かなくなった。
それでも、月曜日になれば仕事に出ないわけにはいかなかった。
日中はほとんど平気だった。
何だか罪悪感を感じつつも、お腹は空くのでご飯を食べる。
何だか後ろめたさを覚えつつも、面白いことがあれば笑う。
おいしい物を食べれば嬉しいし、楽しいことがあれば幸せな気分になる。
私は薄情者だと思った。

 夜になり、一人で部屋の電気を消すと、もう残っていないと思っていた涙が勝手に流れる。
やはり、悲しいのだ。
どうして、人間の体から涙がなくなることはないのだろう。

 私は薄情かもしれない。
でも、悲しむのはもうやめようと思う。
ころのことを忘れることはないだろう。
ただ、彼女の死に対して涙を流すことはもうやめようと思う。
私は彼女と共倒れしたいわけではない。
彼女もそれを望んでいるわけではないと思う。
ころは天寿をまっとうした。
それでよかったのだと思うことにする。






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