登山

 昔から何かと運動量の多かった私にとって、ここ数年運動量の少なすぎる日々が続いている。
運動量の少なすぎる生活というのは性に合わないのか、結構辛いものだと知った。
そこで、私は自分なりに体を鍛えることにした。
スポーツジムなどには通わない。
スポーツジムなどに通った方が効率はいいのかもしれないが、
私には未知の領域で、興味はあるもののまだ足を踏み入れることができずにいる。

 そんな臆病者の私の筋トレはいささか原始的である。
腹筋・背筋・腕立て伏せ・ブリッジ・スクワット・etc...
できれば外を走り回りたいのだが、どうも現代は物騒でいけない。
外を走るときは、一応防犯ブザーなるものを身につけていくのだが
後ろからいきなり刃物できりつけられたり鈍器で殴られたりしたら防犯ブザーなど何の役にも立たないだろう。
そういうことを考えながら後ろを振り向き振り向き走るものだから疲れるばかりでろくに運動にならない。
だから、走りたいと思うときは部屋の中でその場駆け足をするに留めている。
しかし、それはそれで使う筋肉が非常に限られてくる上に、下に響かないようにそっとそっと走るが故に
以前膝を傷めてしまった。
室内での運動というものは制限が多い。

 先日、筋トレの一環として登山を試みた。
お遊びでのハイキングならともかくとして登山は初めてだったので軽く様子をみながら、ということになった。
登山のコースなるものが存在し、初心者でも可のルートを選んだ。
私は本物の登山を知らないため、今回の選択がどれほどのものなのかはわからないが、
最初の十数分は急で粗末な階段のようになっているところを通り、
その後は足場は悪いがそれほど急ではない山道を1時間半ほど歩いた。
途中で何箇所か岩の間を登ったりするところはあったが、全体的には特に困難ではなかったと思う。
ただ、山頂が見えてきていよいよ急な斜面あり険しい岩ありで本格的な登山が始まるかと思った頃
雷が鳴り始めて雲行きが妖しくなってきた。
元々様子見のつもりで極めて軽装だったことと午後もだいぶ過ぎていたこともあり、
山の天候は変わりやすいということを踏まえて山頂を目前にして下山することにした。
下山し終わるまでに雨が降ってきて地面が濡れて滑るのが私は恐くて、岩のあるところは岩から飛び降り、
可能な場所はほとんど小走りで移動した。
その甲斐あってか、ほとんど下り終えた頃になってから急に大粒の雨が降ってきて大雨になったが
何とかほとんど濡れずに滑らずに下山できた。

 山なので当然石がごろごろ転がっており、意識せずに随分脚に力を入れて歩いていたと思う。
そうすると、日頃運動不足な人間にとって気になるのは次の日の筋肉痛だ。
次の日、同行者は少し筋肉痛があったようだが、なんと私は無事だった。
無論、最も登山らしかったであろうと思われる部分を制覇できなかったので何とも言えない。
もしかすると山頂まで達していれば私も筋肉痛になっていたかもしれない。
だが、今回は無事だった。
普段からの地味で原始的な筋トレの積み重ねが役に立ったのだろうか。
塵も積もれば山となるのだな、と実感しつつ、もっともっと鍛えてから、次回はもう少し本格的に山を登りたいと思った。
今回は途中で戻ってしまったので特に体力を消耗した様子もなかった。
しかし、とりあえずはこの数年でだらけきった脂肪の塊を何とかして筋肉の塊に戻さなければ使い物にならないだろう。
せめて、もう少し治安のいい国であってくれたら…。
あー、たまには思いっきり体を動かしたい。
次回の目標は、もう少し周りを見ながら歩く、ということにしようと思う。
今回は空模様と足元が気になって周りを見回す余裕がなかった。
せっかくの登山だ。楽しまねば。
次はもっと体に負荷をかけつつもっと楽しむことができれば、と思っている。
そのためにももう少しいろいろと研究しなければ。






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