オリンピック

 遅ればせながら折に触れてテレビでオリンピックを見るようになった。
遅い遅い。遅すぎる。
世間は随分前からオリンピック一色なのに。

 オリンピックを見ていて思う。
アナウンサーがうるさい。
ぎゃーぎゃー絶叫しすぎるように思う。
興奮するのはわかるが近頃のテレビは高性能なものが多いので音声はちゃんと拾う。
そんなに何度も何度も大声で教えてくれなくてもわかるのだ。
逆にあまりにも大声で話すものだから、肝心な音が聞こえない。
迷惑極まりない。
おまけに、よく「ゲスト」という形でその道に精通していそうな人を解説席に座らせて
アナウンサーが意見を聞くということをしているようだが、
ゲストに意見を求めておきながら、ゲストが発言している最中に別のことを絶叫し始める。
それでも一生懸命喋っているゲストもいるが、アナウンサーの絶叫に掻き消される。
聞いている側としても不愉快だが、ゲスト本人は不完全燃焼のようでもっと不愉快なのではないだろうか。
人に意見を求めておいて、途中で全く関係ないことを話すということは
それだけでも非常に無礼であることを、公共の電波を使って喋るアナウンサーは知らないのだろうか。
もしそうなら、無知にもほどがあるぞ。

 オリンピックに出場している選手は皆頑張っていると思う。
私は彼らの努力を称えたい。
しかし、マスコミはメダルの数が気になるようだ。
執拗にメダルメダルと騒ぎたてる。
それほどまでにメダルが大事か。
国としてはメダルが多い方がハクがついていいだろう。
他国から羨望と驚異の目で見られるのも気持ちがいいかもしれない。
だが、頑張っている個人の評価はどうなる。
私はメダルが全てではないと思う。
テレビは精一杯頑張って敗退した選手の映像を映しながら大声で叫ぶ。
『残念!!!メダルには届きませんでした〜っ!!!』
それが全国に放映されるのだ。
そんなことは言わなくても皆わかっている。
それよりも、なぜ精一杯頑張ったことへの労いの言葉が出ない。
なぜ、よく頑張ったと褒めてあげない。
自分では何もしていないくせに頑張った選手がメダルを取り逃したことをとやかく言えるのか。
最も悔しい思いをしているのは選手自身なのに、なぜアナウンサーが悔しがる。
どう考えてもおかしいだろう。
絶対にメダルを取ってやる、と自信満々に吹聴していた人間がメダルを取り逃したのであれば
メダルのことを持ち出すのも悪いことではないように思うが、
純粋に頑張った結果メダルに手が届かなかったことをごたごた言う権利など誰にもない。

 実際に闘った選手ではなく監督がインタビューを受けてべらべらべらべらべらべらべらべら喋る。
見苦しく聞き苦しい限りだ。
確かに監督も頑張ったかもしれないが、やはり一番頑張ったのは選手本人だろう。
それを、監督がひたすら延々と喋り続ける。
一体どうなっているのだ、と誰も思わないのだろうか。
もっと選手を思いやった言動を私は望む。

 4年にたった一度の世界的行事。
私はそれすら文句を言わずに黙って見ることができないらしい。






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