日傘族

 最近、日傘をさす人が随分増えたように思う。
正確には、日傘をさす女の人が、と言うべきか。
今のところ、男の人で日傘をさす人を見たことはない。
これまでに私が見たことのある男で晴れの日に傘をさしているのは浮浪者くらいだ。
(浮浪者は何故晴れの日に傘をさして歩くのだろう…)
従って、とりあえずは日傘をさして歩くのは女の人だと限定していいだろう。

 さて、その日傘族だが、非常に危険だ。
雨の日の雨傘であれば、自分が雨に濡れることを避けるためには
常に自分の上に傘をかざしておく必要があるため、不用意に振り回す馬鹿はあまりいないが、
日傘となると平気で不用意に動かしたり振り回したりする。
横を人が通り過ぎようとしていても傘をよける気配すらない。
人を傷つけないようにすることよりも自分の綺麗なお顔を紫外線から守ることの方が大事らしい。
私自身、目の際を日傘で刺されて肝を冷やした経験が何度もある。
何故かいつも丁度うまい具合に(?)傘の端っこが目の高さにあるのだ。
そして、日傘族は人を日傘で刺しておいて『あ〜、すみませぇ〜〜〜ん』と軽く謝る。
それでも謝るだけましな方で、ひどい輩になると自分が傘を振り回して人を刺しておいて
「てめぇ、ぶつかってんじゃねぇぞ」という形相で睨みつける。
お願いだから、どっちが悪いかを正しく把握して悪いことをした人が謝ってください。
尤も、私に言わせれば、振り回したりして傘を自分の上にかざしておかないのであれば
当然日傘をさしている意味もないわけで、それなら最初から持ち歩かなければいいのに。
そうすれば、お互い不愉快な思いをしなくて済むのに。

 日傘を振り回して歩くには日本は狭すぎる。
それほど紫外線から綺麗なお顔を守ることが大切で、そのくせお行儀よく振舞えないのなら
凶器になり得ない黒いヴェールでもかぶっておいていただきたい。
しばらく前にどこかで、日傘で目を刺されたと言って慰謝料をふんだくっていた男が
詐欺罪で捕まったというニュースが報道されていたが、人々はやはりその男のみを責めるのだろうか。
哀しいかな、私にはそういうことをしたくなる人の気持ちが痛いほどよくわかる。






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