不景気な日本

 いいお天気だったので空を見上げた。
夏が見えるかのような空だった。
私の頭上を飛行機が低空飛行していった。
その機体を見てぎょっとした。
非常に派手でカラフルな飛行機だったからだ。
派手でカラフルで安っぽいおもちゃのように見えた。
そして、それは青い空と白い雲というシンプルで整った調和を見事に乱していた。
飛行機会社の人、ごめんなさい。
私にはあのような飛行機が何の意味を成しているのかさっぱりわかりません。

 この頃、電車でもカラフルな車両をよく見かけるようになった。
まるで、おもちゃのような、
まるで、昔のサーカスの移動車両のような、
私に言わせれば、趣味の悪い、
そんな車両が全く統一感を持たずに連なっている。

 機体や車体に装飾を施すには相当なお金がかかると聞いたことがある。
明確な目的があるようには見えない装飾にかけるお金がよくそんなにあるな、と感心する。
何かのコマーシャルのためのものなのかもしれない。
だが、何度目を凝らして眺めても何のコマーシャルなのかわからないものの方が圧倒的に多い。
きっと、お金持ちなんだなぁ…。

 日本は本当に不景気なのだろうか。
皆、日本はまだまだ不景気だと言う。
だが、不景気なら装飾に気を遣う余裕があるだろうか。
私はないと思う。
一体、日本のどこが不景気なのだろう。
街中でブランド品の袋をいくつも持ち歩く女の人を見ても思う。
一体、日本は本当に不景気なのか?
ブランド品をたくさん身に着けている人を見ると、やはり思う。
日本は不景気なんじゃないのか?

 私は景気に関係なく経済的に余裕がない。
要するに、そういうことなのではないだろうか。
国が国として不景気な時代は実はもう終わっているのではないだろうか。
裕福な人と貧しい人の差が激しいというだけの話なのではないだろうか。
世の人々が不景気だと言うのは、「不景気な気分」から抜け出せていないだけなのではないだろうか。
私はそう思うのだ。

 しかし、不景気でない割に雇用状況が悪すぎるのは一体どういうわけだろう。
それとも、「不景気」という言葉の定義を私が低く見すぎているのだろうか…。
本当は「不景気」の水準は私が思っている以上にずっと高いのだろうか…。
日本の「不景気」というのはどの程度までを「不景気」と定義付けているのだろうか…。






back
back to TOP世渡り下手の物語






SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送